皆さん、こんにちは、はじめまして。Mariといいます。
日本で看護師をしており、2021年2月、ようやくカナダBC州のRegistered Nurseを取得し、2023年現在もRNとして勤務しいます。
私の経験が、「カナダで看護師になりたい!」と思っている方の助けになれば幸いです。
ここで必ず、どうしたらカナダで看護師になれるか、の答えが見つけられます。他では決して見つけることのできない情報満載です!
1. NNAS申請資格条件
1-1. 日本で看護教育課程を修了していること
日本には看護専門学校、短期大学、大学、がありますが、どれかしらの教育課程を修了していることが条件の一つとなります。
よく、看護大学卒業の方が高く評価されるのでは、と思いがちですが、いろいろな人のNNASレポートを見てみるとそうでないことがわかります。
なので、あまり気にせず、とにかく看護教育を受け、無事に修了しているということが大切です。
そして、5年以上臨床から離れていると資格がない、と書かれているウェブがありますが、それは間違った情報です。惑わされないようお気を付けください
1-2. 日本で看護師免許が良好な状態で保持されていること
後程、NNAS必要書類の中でも説明しますが、看護師免許証の剥奪や犯罪歴がなく、厚生労働省が申請者を適正者とみなすことが次の条件となってきます。
大半の申請者は問題ないと思います。
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2. NNAS (National Nursing Assessment Service)へ登録する
NNASの本拠地はアメリカにあり、そこでInternationally Educated Nurses がどのような教育を受けてきたか、又、どのような職歴があるのかを審査するオフィスです。
BC州で看護師資格を取得する為には、必ずこの機関をパスしなければなりません。提出書類は多岐にわたり、English Competency Examの結果もこちらのオフィスに提出します。
先ずは基本的な個人情報を入力していきます。
住所、連絡先、パスワード等になります。
これらの入力が全て終わると、US$650 (だいたいCAD$900)を登録料として支払います。
その後、Confirmation Email が送られてきて、ID ナンバーもそこで確認でき、無事アカウント作成終了となります。
2-1. 一年の間に全てのプロセスを終了すること
登録料を支払った日から一年の間に全てのプロセスを終了することをお勧めします。
というのも、NNASに一度登録すると、そこから有効期限一年のカウントダウンが始まります。
その一年を超えると延長料金US$180を支払わなくてはなりません。
現在はコロナの影響もあり無料で延長が出来るようです。
NNAS has extended the application expiry date all applications expiring before Sept 30/21 to Sept 30/21. Due to the high volume of applications becoming ready for review, it may take longer to issue some Advisory Reports. We apologize for the delay. Please check the News and Events section for more information.
https://www.nnas.ca/timelines-and-fees/
関連記事:朗報!NNAS レポート発行!Without English score!
2-2. 全ての支払いはUS$で請求される
CADにするとかなりの金額になってきます。
その為、アカウントを作成する前に、NNASハンドブックを事前に読み、どの様に書類の準備を進めていくか計画することをお勧めします。
ハンドブックはNNAS Applicant Handbookからダウンロードできます。
2-3. 登録料のUS$650は一つの申請グループと州のみ
もしRegistered Nurseの他にPracticum Nurseも申請したい場合US$220、BC州の他にオンタリオ州にも申請したい場合US$55を追加料金として支払わなくてはなりません。
私の場合、最初はRN、BC州のみでしたので基本料金でした。しかし、いろいろな人の話を聞くうちに、保険としてLPNとオンタリオ州枠を追加して、結局かなりの高額になってしまいました。
私はBC州で暮らしているので、その他の州で申請するということは考えてもみなかったことですが、州によってはBC州より審査が緩い場合があるみたいなので、時間を短縮する意味でも良い選択肢なのかもしれません。
2-4. 保健師資格を持っている場合はそのことを書かない
アカウント作成の際に、看護師以外に持っている免許はあるかどうか聞かれます。
私は保健師を持っているので、正直にそのことを申請しました。ほぼNNASのプロセスが終わるという時に、NNASから連絡があり、厚生労働省に保健師に関する免許証の書類も提出するように言われました。
そうなるとまた厚生労働省に連絡し、証明書の発行等また時間がかかると焦り、NNASに保健師はWaiveして欲しいとのことを伝えました。
しかし、一度そのように申請したら必要書類を一式提出しなければならず、Waiveは出来ない、と言われました。
結局2か月さらに時間がかかり、本当に時間の無駄をしてしまいました。
BC州では保健師というそれ自体のcollegeはなく、RNのカテゴリーでくくられているので、個人的な意見ですが申請する必要はないかと思われます。
3. NNAS必要書類を準備する
3-1. 2種類のIDを用意すること
一つは必ず顔写真入りで、有効期限内のID であること、パスポート、運転免許証、PRカード等が該当します。
二つ目は政府が発行したものであれば大丈夫です。それらのIDは必ず行政書士(Notary Public)や弁護士等の、公認を取得しなければなりません。
私の場合は、近所のNotary Public に依頼して約$30ぐらいで済みました。Notary Public にIDを持っていくと、彼らがコピーして書類にサインをしてくれます。
その際、彼らのオフィス所在地等も明記されていることを確認してください。
コピーはカラーでも白黒でも構いません。そして、行政書士等が直接NNAS宛に郵送しなければなりません。私の場合は、出来上がった封筒(センダーはNotary Public、必ず封済み)を、私が近くの郵便局に出しました。
勿論、必ず、追跡番号ありです。日本で書類を準備する場合は、全てのIDが英語又はフランス語に翻訳されてなければなりません。翻訳は必ず、政府公認のライセンスがある所で行ってください。
若しくは、NNASでも翻訳を行っている(1ページUS$85)のでそこに依頼するのもありかもしれません。
3-2. 看護学校での教育内容に関する書類の準備
NNASのアカウントを作り終わると、看護学校に関する申請用紙をダウンロードすることになります。
それをプリントアウトし、その内容に沿って書類を準備していくことになります。
申請用紙は5ページあり、全て学校側が英語で記入していきます。
問題はシラバスです。英文シラバスを常備している日本の看護学校は99%ないと思います。その為、全て英語若しくはフランス語に翻訳しなければなりません。
NNASは公認翻訳者以外の翻訳は認めません。
なので、プロに依頼するしかないのですが、膨大な量のシラバスを翻訳するとなると大変な金額になってきます。
いろいろな翻訳会社を当たりましたが、専門用語のシラバスを翻訳するとなると、60-100万という見積もりになり諦めました。
もし、お金に余裕があるのならば、プロに依頼するのがいいと思います。
私はなかったので自分で翻訳し、最終チェックをプロに依頼しました。私が利用した校正チェックの会社をUPしておくので、もしよければ参考にしてください。
そして見栄え良く製本したほうがいいかと思います。
私は製本をこちらに依頼しました。シラバスの作成に1か月ほどかかりましたが、そのおかげで大分安く済ませることが出来ました。
全ての科目を翻訳するのか、必須科目のみ翻訳するのかはとても迷うところです。
私はNNASに電話し、必須科目のみでよいと言われ、最低限の科目のみしか翻訳をしませんでした。
ただ、カスタマーセンターは実際にアセスメントする人ではないので、本当に何とも言えません。もし心配なら全部したほうが無難ですね。
私はもう疲れ切って最低限で済ませました。
最後に、出来上がったシラバスに看護学校の公印を押してもらうことを忘れないでください。それがないとNNASは公式の書類として認めてくれません。
私のシラバスはとてもシンプルなもので、NNASが怪しんで、さらなる詳細なシラバスを要求してきました。
「あなたのシラバスはシンプルすぎるので、これがアセスメントに影響を与えることをお知らせします。もし再度提出したいのならばそうして下さい。」
再提出しようか考えたのですが、結局それが最終シラバスであることを伝え、アセスメント結果に影響を及ぼすことに同意し、書類にサインをしました。
結局無事にNNASは済んでいるので、今思うとあの苦労は何だったのか、という感じです。
ここでの大事なことは学校と連絡を密にとり、早く事が進むようにお願いするしかありません。
私の大学は協力的でしたが、結局、全ての書類がそろうまでに半年以上かかりました。友人の学校は全く協力的でなく、最後まで嫌な感じで終わったそうです。
別の友人は学校自体が廃校となってしまっていたので、シラバスは入手できなかったと聞いています。
又、ラッキーな例では、学校が翻訳者に依頼して費用を負担してくれた、ということも聞いています。
なので本当にケースbyケースです。学校に前例者がいればとてもやりやすいと思うのですが、大半の学校は初めてというこになるので、てこずるかと思われます。
ちなみに、看護学校に関する申請書類は5ページあります。中でも一番大変だったのが、科目の時間数の記入でした。
実際に私が記入した申請用紙をUPしていますので、参考にしてください。 これも学校とよく連絡を取り、時間数をただひたすら換算していくしかありません。
中には日本の看護学校ではない教育科目もありますので、そこは正直に’0’と記入していいかと思います。そしてこの学校関係書類も、学校側が直接NNASに書類を送らなければなりません。
3-3. 看護師免許証に関する書類の準備
看護師免許証に関する情報入力が終わると、厚生労働省宛に送らなければいけない申請用紙がダウンロードできます。
内容は、いつ看護師国家試験を受け、いつ免許証を取得し、今その免許がどのようなステータスなのか、というものです。
この申請用紙も、厚生労働省の担当者が直接記入し、直接NNASに送付しなければなりません。
ただ、NNASに関する書類は慣れているようで、看護学校の時よりも割とスムーズにいきました。
必ず、免許証英訳文証明申請書の発行を依頼することを忘れないでください。
3-4. 直近の勤務先に関する書類の準備
NNASは申請者が過去どのように勤務していたか、その勤務状況の把握をするべく、過去に働いていた職場に関する書類の提出も求めています。
これも、職歴を入力すると、申請書がダウンロードできるようになります。
この申請書も、必ず、申請者の直属の上司が入力しサインし、直接NNASに送付しなければなりません。
過去の勤務状況に問題がなければ、スムーズに済む書類かと思います。
もし、5年以内に職務歴がない方は、そこは素直にLeave blankとして、先に進んで問題ないです。
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4. 英語をパスする
これがどの申請者にとっても一番難関なポイントではないでしょうか。
NNASは、IELTSとCELBANを、English Competency Tests として認めています。
合格ラインはこちらから見つけられます。
但し、英語については新しい改定がありましたので、まだご存知ない方はこちらを参考にされて下さい。
4-1. CELBAN
CELBANは Canadian English Language Benchmark Assessment for Nurses の頭文字をとったもので、カナダのみで通用するEnglish Competency Examです。
スコアはListening/Reading/Writing/Speaking の4項目を10点満点で評価します。
試験内容は医療に関するものしか出題されないので、私たち看護師にとっては比較的親しみやすいかと思います。
しかし、CELBANはIELTSと異なり、2年間の間で3回しかチャレンジすることができません。そして、もし1回目で失敗し、次のテストを受けたい場合は3か月待たなくてはなりませ。
CELBANはテスト会場が少なく日程も少ないため、Registrationするのに大分待たなければなりません。
その為、1回目で合格しておいたほうが楽です。
4-2. CELBAN 試験対策
私は最初はIELTSをトライしたのですが、どうしてもWriting で思ったようなスコアがとれず、3回目で諦め、CELBANの勉強を始めました。
しかし、CELBANはIELTSのように教材が出回っておらず、結局はセルフスタディとチューターで対策をたてました。
CELBANはリスニングでスコア10をとらないといけないため、毎日Youtubeでディクテーションを行いました。
Youtubeには医療系の動画がUPされているのでとても役立ちました。
あとはWorkSafeBCや、Fraser Health 等のウェブサイトをチェックし、参考になる動画は全てディクテーションしていきました。
リーディングはIELTSの教材を参考にし、ライティングはグラマーの確認をしながら医療系の記事にたくさん目を通しました。
スピーキングは、日々の医療の問題に対して自分の意見が述べられるように、考えを整理することを中心に勉強をしました。
もしセルフスタディで不安な方は学校に行くのもありだと思います。
実際、私も最初はCELBAN対策クラスとして、Langara Collegeに通っていました。
しかし、講師があまりにもCELBANのことを知らなさ過ぎたため、時間とお金の無駄と感じ2回目以降は通わず、返金をしてもらいました。
Vancouver Community College にもCELBAN対策クラスがあり、ここは評判がいいようです。
ただ、Waiting Listがあると思われますので要確認です。
私もVancouver Community Collegeに通いたかったのですが、その時はWaiting List があり、そのためLangaraにしました。Langaraは私たちがCELBAN対策クラスの第一期生だったので、講師も不慣れだったと思います。きっと今は(あれから2年経ちます)大分Improveしているのでは、、、、と思っています。
なのでLangaraに興味がある方はこちら
からコース内容が見られます。
4-3. 結果をNNASに送る
NNASハンドブックでも書かれていますが、IELTSもCELBANも6か月を超えた結果は無効になります。
なので、試験を申し込む際に、NNASのRequirementを満たした場合は自動でNNASに結果が送付される、という設定をしておいたほうがいいと思われます。
関連記事:CELBANのリスニングで満点をとるにはどうしたらいいか?
5. NNAS Advisory Report
無事全ての書類を提出し、それらが全て’Requirement Met’になると、あとは最終レポートを待つのみになります。
最終レポートの発行までに私は大体1か月ほどかかりました。
レポートが発行されるまでの間なら、グループと州が追加可能です。
もちろん費用はかかりますが、一度レポートが発行されてしまうともう追加できません。
どこの州で何を目指したいのかよく考えて追加することをお勧めします。
レポートには、申請者がRNとして’Comparable’/’Somewhat Comparable’/’Not Comparable’/’NONE’という表現でパーセンテージと共に、それぞれのカテゴリーで評価されています。
私は’Not Comparable’で、友人も同じ結果でした。
驚いたことに、LPNとしての評価はRNより低かったです。
それが本当に?な感じでした。
とにかく、NNASのレポートは気にせず、そのプロセスを終えることに集中してください。
どんなアセスメント結果がこようと、次のステップは皆同じです。
ですので、シラバスの翻訳に大金をつぎ込むことはしなくていいと思います。
6. BCCNMに Advisory Report を提出する
NNASの審査が終了すると、レポートが発行され、それをBCCNMに提出します。そこで申請費用を支払います。
7. NCAS (Nursing Community Assessment Service) を受ける
NCASはComputer Based AssessmentとSimulation Lab Assessmentの2つから構成されており、そこで看護師としての知識、スキル等の総合評価が行われます
7-1. CBA (Computer-Based Assessment)/SLA (Stimulation-Lab Assessment) とは?どのように対策する?
CBAはその名の通り、コンピューターで看護師としての適性がチェックされます。
BCCNMのようなカレッジに申請した後に、NCASを受けてください、という知らせがきます。
そしてNCASの代金を支払います。残念ながら、2018年1月よりNCASの大幅値上げがあり、それまでTOTAL$500だったのが、$2000 (CBA$500,SLA$1500)になりました。
その後、CBAの予約を行います。
大体2-3か月先のスケジュールが提示されます。試験会場はダウンタウンのAshton Collegeです。かなり真剣に荷物チェックやID確認が行われ、コンピューターroomに案内されます。
3時間で大体100問を解きます。全てSituational な問題で、NCLEXの勉強をしていれば大丈夫ではないかと思われます。
SLAはCBAより重要で、移民をしていない人は、必ずSLAで良い結果を残さなければなりません。
その理由は、多くのNursing Refreshment Courseでは,移民若しくはカナダCitizenしか受け入れないからです。
なので、移民されてない方はSLA対策をしっかりしなければなりません。
SLA対策として、Kwantlen Polytechnic Unoversity (KPU) で開かれているNurse Ready を受講することをお勧めします。
9日間の短期集中コースで、$1700ぐらいです。主に実技チェックを行います。ただ、1クラスが12人で、講師も限られた人数で行っているため、席の確保が非常に大変です。
担当者と密に連絡をとり、いつ新しいコースがオープンするのか情報を聞き出し、こまめにチェックしてなければなりません。私の時は約20分程で全ての席が埋まりました。
もちろんNurse Readyを取らずにSLAを受ける人もいますので、自分は大丈夫と思う方は受講されなくてもいいと思います。
7-2. 流れとしては
- CBAを受ける
- Nurse Readyを受ける
- SLAを受ける
がベストだと思います。CBAとSLAの結果は1か月後にまとめてEmailできます。かなり分かりずらいチャートで、結果がそれぞれの項目ごとに書かれています。
その後、カレッジから連絡があり、自分はどのコースを受けなければいけないかを知らされます。
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8. 補修コース(GNIE, Thompson, or Online)を受ける
NCASが終了すると、レポートが発行され、BCCNMが最終判断を下し、補修コースが必要なのか否かが伝えられます。
補修コースとは、オンラインコースやKPUでのIn class コースのことです。
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- 粘り勝ちのGNIE
- GNIE programについて思ったこと
- カナダでの看護実習、Clinical Experience
- Re-entry Program授業料を比較してみました!
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- GNIE Program Requirement 改定
- Thompson のRe-entry Programに必要な書類
- Thompson Rivers UniversityのRN Re-entry Programとは?
- Thompson Rivers UniversityのRN Re-entry Programとは?Part 2
- 恐るべしThompson
- Thompson Phone Interview!!!
- Thompsonオンラインコースに役立つアプリ
- 祝1600時間達成!
- ヘルスケアエイドとして働いてみる
- ケアエイドになりもうすぐ1年
9. NCLEXに合格する
補修コース終了後にNCLEX受験資格を与えられます。NCLEXは国家試験です。Computer Based で試験を受けます。
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10. BCCNMへ登録
おめでとうございます!
これで全てのプロセスが完了です。
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